1年 12月 上章

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「これはいわば腹の探り合い。相手は何を出すか、取引だ。 ジャンケンてのは必ず百戦連勝するもんじゃない。負けたり、あいこになったりする。さらに勝負がついたときの次の行動も忘れない。いち早く掴み、行動にでる。勝負がついた後に直感で掴み取れば結果は変わる。 細かい戦略なんていらない、これほどまでに対等な勝負は無い。」 なんだかここに居るパワポケ君が別にのパワポケ君にすり替わったみたいだ。自分はこんな彼を知らない。 「君が勝負を中断された理由。それは負ける奴が起こす行動『逃避』。 …君はすぐに諦めて逃げようとした。 でも俺は逃げたりなんかしない。」 そう吐き捨て、パワポケ君は武田君に向き合う。 「…続けていいッスか?」 「ああ。」 自分一人、孤立した世界に居るような錯覚を覚える。こんなにボロクソ言われても、口が動かない。 だって…世界が違うんだから。
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