1年 12月 上章

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私はこの前のテストで、パワポケ君と水原君が対決していたのをつい最近知ったのだ。 水原君が野球部に入ったという情報も最近入手した。 彼が野球部に入るのも驚きだが、パワポケ君が水原君にテストで勝ったという事実がにわかに信じられなかった。 「じゃあ、水原君は、パワポケ君と勝負をしたんだ?」 「くっ、何故それを…。」 水原君にとってはよくない情報なんだろう。 学年1の天才が、非凡な野球部に負けた。なんて事はいい噂ではない。 「勝負には負けたけど絶対入るって事じゃないでしょ。 どうして人数も揃っていない野球部に、あなたのような人が入ったの?」 こんな勝負、馬鹿馬鹿しいと破棄すればよかった。わざわざ彼が野球部に入るメリットがあるのだろうか。 しかし彼は奇妙な返答をする。 「…理由は単純。今度こそ負けられないと思ったのさ。」 「………。」 「今まで負けなかった。 挑んでくる勝負すべてに自信があった。 なのに…この僕が正当なやり方で負けた。」 遠くの方に視線を走らせ、悔しさがこもった口調…だったように見えた。 「でも、野球で形をつけるんじゃなくて別のやり方があったんじゃない?」 「…話が長くなりそうだな。どこか寄ってく?」
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