1年 12月 上章

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「俺だって簡単にやられる訳じゃないッスよ。陸上部で過ごしたこの半年間を無駄にしたくはない。俺を…信じて欲しいッス」 武田君の鋭い、だけど優しく温かい視線が水野に向く。 「うっ…。 か、勝手にしろっ!」 「…ありがとう。」 やや鼻声になった水野の声を、確かに武田君は受け取った。 そしてスゥーと息を吸うなり、 『気合いッスーーー!』 周りがビリビリするくらいな大声で雄叫びをあげた。 「さあ、続きをしようじゃないッスか! ルールの変更は承知ッスよね?もう今日は勝つか負けるまで逃がさないッス!」 っ…! 何て凄い威圧感…。 心なしか殺気まで漂ってくる。 しかし、どんなに気圧されても結論は同じ。 「…ああ。決着をつけよう。」 ゲーム難易度アップ。 ジャンケンに勝ち、4つの内から1つだけ正解のハンマーで相手に殴れ。負けたら素早くヘルメットを被れ。 1‐1から、3勝したものが勝ちとなる。
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