1年 12月 下章

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「おう、悪かったのう嬢ちゃん。ケガないか?」 ひえええ!上級生! 格好も怖い…。 ここは校舎の裏の位置にある場所。誰だって通る機会がある場所であり、職員室から離れた場所でもあるので上級生が下級生に暴行を振るう名所の一つとして生徒だけが知られている。 「だ、大丈夫ですっ! 失礼しましたー!」 しかしその上級生の人は恐喝もしなければ、ただ飲み物を買いに来たのでは無いらしい。 「ちょい待ち! 野球部のパワポケっちゅー奴見かけんかったか?」 「え…パワポケ君…?」 返答を、躊躇する。 こんな顔が怖い人がパワポケに何の用なんだろ。 「せや。俺も野球部に入っとんてん、せやから会おー思てな…。」 「や、野球部の先輩?!」 噂じゃ新入生を歓迎と称してお金を盗ったり、千本タコ殴りをしたり…あまり評判は悪くない。 そういえば、野球部の先輩は全員事故に遭ったと聞いた。全治…何とか月で。 もし、パワポケ君に何らかの恨みがあるなら…!? 「いや、や、やっぱり知りませんっ! それじゃっ!」 一目散に逃げる!! でも寸分のリーチ差で腕を捕まれた。 「待った待った! 嬢ちゃん、俺をヤクザか何か勘違いしとるやろ?マスクか?マスクを外せば怖無いやろ?」
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