1年 12月 下章

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外藤さんはビクッと震えた。そりゃ驚くだろう。 目の前の、初め会ったときはオドオドしていた女子が机をいきなり思いっきり叩いたんだから。 「…少しは、落ち着きました?」 「あ…あ。す、」 「外藤さん。 今のあなたは他人から見てどう映っていると思います?」 「お…俺の姿…。」 質問はしたが返答には興味ない。私は即座に言葉を繋げる。 「正直…見ててムカムカします。 終わったことはああだ。こうだ。って、時間を巻き戻せるんですか? そんな事言っているより、あなたはやるべき事があるでしょう?」 「………。」 黙り、か。 「会うのが怖いんですか、パワポケ君に。 逃げて逃げて、ずっと会わないつもりですか? …ストーブのバケツの水が無くなったみたいですね。そろそろ私達もおいたましましょう。」 私は扉に手をかける。 (ガラガラ…。) 「え?」 信じられるはずがない。なぜなら、目の前には私がよく知る人物が立っていて、私を見つめていて…。 「…パワポケ、君?」 「…明日香。」 なんて最悪なタイミング。
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