1年 12月 下章

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「お、お邪魔だったかな。あ、ははは…。 ………。」 うづくまってる外藤さんと、ついさっきまで外藤さんに怒鳴っていた私と、何も知らずやって来たパワポケ君。 また重い空気が流れこむ…。 パワポケ君の姿が見えて、外藤さんは急いでマスクを取り付けた。 人前で素顔を晒すことさえできないのか、この人は。 「明日香…?どした、顔が怖いぞ。」 はっ! 外藤さんを見つめてた表情を見られた!? 見られたくない表情を見られたくない人に見られた…。 「俺、服を汚してこの教室に乾かしてるのに気づいて戻ってきたんだ。 …お、奥にいるのは何だ?明日香の彼氏か何かか?」 ―――っ! (ドンッ!) 「うわ!」 私は彼を突き飛ばして教室を出て行った。 …いや、この場から逃げた。 その時私は冷静力が欠けていた。 靴を履き替え、寒い外を走って出て行く。 あとは無我夢中で家まで走っていった。
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