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生い茂る木々に注意しながら朋美さんが残したであろうボード跡を辿って奥に進んでいく。
「この辺になるとかなり雪が積もってますね。皆さん足元には注意してください」
『龍一のリーダーシップ……惚れ惚れするわ』
「克己はどこにいったんだろう?」
『雪が深くて歩きにくい~~きゃっ!痛!!』
雪の重みで折れ曲がった枝に頭をぶつけちゃった。
「恭姉!!大丈夫!?」
「恭香さん大丈夫ですか?……それにしてもだいぶ深い所まできましたね」
『恭香さん、しっかり注意しないと怪我するわよ』
『うぅ……迷惑かけてごめんなさい』
このあとも私のちょっとしたアクシデントが続き、進行速度は思うように上がらなかった。
「…………皆さん!!止まってください!!」
『あん』
「……おっと」
『おぷっ』
龍一君が急に進行を止めた為、玉突き事故のように前の人にぶつかった。
龍一君の先を見て私達は急停止を理解した…………そう、道が無い!
そこはいきなり崖になっていた。
「跡が崖まで続いていますね……」
各々に最悪の事態が頭をよぎる。
「ここで立ってても意味がないよ。とりあえず崖先まで行ってみよう!!」
真人君の言葉に頷き歩みを進めた。
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