三人寄らば文殊の……大問題

11/17
前へ
/55ページ
次へ
  生い茂る木々に注意しながら朋美さんが残したであろうボード跡を辿って奥に進んでいく。     「この辺になるとかなり雪が積もってますね。皆さん足元には注意してください」   『龍一のリーダーシップ……惚れ惚れするわ』     「克己はどこにいったんだろう?」   『雪が深くて歩きにくい~~きゃっ!痛!!』     雪の重みで折れ曲がった枝に頭をぶつけちゃった。     「恭姉!!大丈夫!?」   「恭香さん大丈夫ですか?……それにしてもだいぶ深い所まできましたね」   『恭香さん、しっかり注意しないと怪我するわよ』     『うぅ……迷惑かけてごめんなさい』     このあとも私のちょっとしたアクシデントが続き、進行速度は思うように上がらなかった。     「…………皆さん!!止まってください!!」   『あん』   「……おっと」   『おぷっ』     龍一君が急に進行を止めた為、玉突き事故のように前の人にぶつかった。     龍一君の先を見て私達は急停止を理解した…………そう、道が無い!   そこはいきなり崖になっていた。       「跡が崖まで続いていますね……」     各々に最悪の事態が頭をよぎる。     「ここで立ってても意味がないよ。とりあえず崖先まで行ってみよう!!」     真人君の言葉に頷き歩みを進めた。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

765人が本棚に入れています
本棚に追加