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『成宮君、朋美さんがどっち方面行ったかわかる?』
「恭香さん、俺のこと克己って呼んでもらっていいっすか?」
『え!?まあ成宮君がそれでいいなら……』
「克己で」
『か……克己……くん』
「やべぇ!!これは強烈な破壊力!!!恭香さん、このゲレンデで僕と創世のアク……」
「フムフム、どうやらここに一人自殺志願者がいらっしゃるようですね」
「龍一さん……は、早いっすね…………ウギャーーーーーー!!!!」
私の両肩に手をかけるなりみ……克己君に剛体法からの連続正拳突きで蜂の巣にする龍一君。
龍一君ってけっこうSなのね。
「む……むごい」
「基本、恋愛は自由ですからアプローチは自由にしてくださってけっこうです。しかし君はいきなり犯罪方面の事をしかねませんからね。きつくお灸を据えておきます」
「……真人……朋美さんにこう伝えてくれ。成宮克己は勇敢で漢気がありイケメンで頭脳明晰でイケメンだったと……あ、あとあなたを愛していたと」
『……そんな周りくどいことするより助けに行った方がポイント高くない?』
「…………流石先生!!よし!俺が見つける!じゃ、そういうことで」
プスプス煙をあげて倒れていたのに先生のアドバイスをうけるやいなや朋美さんを探しに走る克己君。
『……龍一君からあれだけくらってまだ走れるんだ』
『黙っていたらイケメンだしモテると思うんだけどな……』
「無理無理、それはマグロが泳ぐのを止めることくらい無理」
「喋ってないと死ぬ……ですか。ご愁傷様です」
言われたい放題の克己君だけど不思議と可哀相ではない。
そういう星のもとに生まれたんだね。ご愁傷様。
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