「笑えてますか?」

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  「総、悟…?」 「…よ。」 …三日。 三日間会ってないだけなのに、何十年ぶりかの再会のように 思えた。 いつの間にか私の目からは 涙が溢れていた。 なんでこんなにも… あなたが愛おしいんだろう? ねえ、総悟 病気なんかじゃないよね? 会えなくなるなんてないよね? 「お前… なんで入院してるアルか?」 消え入りそうな声で尋ねた。 …知りたかったの。 知っておきたかったの。 なにが原因であなたは こんな所にいるのか。 でも答えは“気にすんな”だけ。 「それより神楽、 公園…行かねェか?」 「でも…体、大丈夫アルか?」 「お前に心配されちゃあ 俺ももう終わりでィ。」 そう言って笑った。 ばか…はぐらかさないで、 ちゃんと答えて欲しかったよ。 「行くぞ。」 「うん…。」 2人で病室を抜け出した。 そしてあの公園まで、 肩を並べて歩いていった。 総悟の体のためにも 絶対に行くべきではないと わかっていたはずなのに。 想いが止められなかった。 あの公園に、もう一度 二人で行きたかった。  
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