「笑えてますか?」

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  「神楽。」 それは、三日前の話。 「…もう、 終わりにしませんかィ?」 突然君に告げられた言葉。 目の前が真っ暗になる。 なんで? さっきまでお互い 笑い合ってたのに? 「え…総悟、ッなんで…!?」 驚きで上手く声が出せなかった。 このときの私の悲しみに 満ちた顔が、総悟にとって どれだけ辛いものなのか、 私には 想像もつかなかった。 「もうお前に付き合うのは、 …うんざりなんでィ!」 そういい、 総悟はグッと下唇を噛んだ。 今にして思うと、 それは涙をこぼすまいと 我慢していたの? 「ごめん、…ごめん総悟!! 嫌なとこがあるなら 私、なおすから…!」 みっともなくすがりついた。 総悟なしで、これから 何を想って生きればいいのか なんてわからない。 「神楽!!」 総悟に怒鳴られ、瞳に涙が たまってきてしまう。 さきほどの怒鳴り声とは 正反対の、優しい手つきで 総悟は私の頭を撫でる。 「…悪ィ、さよなら…。」 「総悟…!」 総悟は私に 背を向けて走り出した。 この時総悟の背中が 小さくなってたことなんて…。 震えてたことなんて…。 総悟が泣いてたことなんて、 わからなかった。 わかろうともしなかったんだよ。ごめんね、総悟…。  
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