ミツ

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残りの講義を終えて、僕はやたら広いキャンパス内の中庭にあるベンチで1人、メロンパンにかぶりついていた。 他の講義も巡と被っていたのは幾つかあったけど、僕は彼を避けるようにして離れた席へ座ったし、彼も、自分から寄ってこようとはしなかった。 それが、なんだかちょっと悲しくて、凄いむかついて。 学食で彼らと擦れ違うのも嫌だから、購買で一個だけ売れ残っていたかにぱんと、一番人気だからと沢山置いてあるメロンパンをなんとなく手にとっておばちゃんに渡した。 おばちゃんは僕のことを気に入ってくれていたから、50円まけてくれて、おばちゃん、それじゃあ恨まれるのは僕なんだよ、と冗談を交えながら礼を言って中庭に出た。 空は、生憎僕の心と同じ様に曇天だった。今にも雨が降りそうで、お世辞にも気持ちが良いとは言えない。 僕はそんな空気の中、1人でもくもくと、メロンパンのクリームで口周りを汚しながら昼食をとっていた。
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