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おれはあの時はたしか……一人で公園で遊んでたんだ。
この町に転校してきたばっかで、まだ友達がいなかったおれは、一人寂しくサッカーボールを蹴っていた。
「はあ……つまんねぇ……」
ただひたすら壁にボールを蹴るだけの繰り返し。
一人でそんな事しても楽しいはずがない。
だけどまだ友達ができてないおれは一人で遊ぶしかなかった。
家に帰った所で楽しい事なんて一つもない。
それぐらいなら外で体を動かしてるくらいのがマシだ。
「むぅぅぅぅ!
とぉぉりゃぁぁぁ!」
退屈に耐え切れなくなりおれは思いっきりボールを蹴ったんだ。
そんなおれの蹴ったボールは、壁の向こうまで飛んでいってしまった。
「ぎゃ!……痛いッス!」
「やべっ!」
壁の向こうで何やら声が聞こえた。
多分ボールが当たったんだろうな……。
このボールが当たってなければコイツと会ってなかっただろうな。
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