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「やはりここもダメか……」
「えぇ、いっそのこと捨ててしまったほうが良いでしょう」
「しかしここを捨ててまた北に登っては、政府軍の奴らの思うつぼだ」
「……土方君は、どう思う?」
土方を招き入れた男・榎本は、ずっと鎮座したままの土方に目を向けた。
俯いたままの彼の顔は、榎本からは見えない。
寝ているようにも見えるが、いくらなんでも会議中にそれはないだろう。
聞かれた土方は、
「……」
夢の中にいた。
いままでの疲れが限界に来たのだろう。
彼の眠りは深く、榎本の声で起きることはなかった。
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