4/9
前へ
/22ページ
次へ
「やはりここもダメか……」 「えぇ、いっそのこと捨ててしまったほうが良いでしょう」 「しかしここを捨ててまた北に登っては、政府軍の奴らの思うつぼだ」 「……土方君は、どう思う?」 土方を招き入れた男・榎本は、ずっと鎮座したままの土方に目を向けた。 俯いたままの彼の顔は、榎本からは見えない。 寝ているようにも見えるが、いくらなんでも会議中にそれはないだろう。 聞かれた土方は、 「……」 夢の中にいた。 いままでの疲れが限界に来たのだろう。 彼の眠りは深く、榎本の声で起きることはなかった。 .
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加