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深い深い森の中に、黒い男が立っていた。
真撰組時代に上司から聞いた若かりし頃の土方。
髪は長く一つに結っていて、黒い着流しに身を包んでいた、と。
着流しこそ着てないものの、今の土方はそれに近い姿だった。
肩の辺りまで伸びた黒い髪。
鋭い目付き。
黒を主に作られた隊服。
見知った背中をやっと見つけた男の目には、そんな鬼の姿がやけに小さく見えた。
「……トシさん!」
「……中島か?」
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