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「何もできない…か。それでいいんだ。」
朔夜が困惑しつつも尋ねた問いは、今まで通りの生活にしがみつこうとあがくもの。
自分は「夢幻の巫女」なんてものじゃない、と否定しようとするもの。
無情かもしれないが、紫水は朔夜の最後の希望を壊さざるを得ない。
「 巫女の力も王の力も、悪用出来ないよう、お互いが出会い、共にかの夫婦を倒すと誓う契約を交わすまでは制限がかけられている。
そもそも…巫女の気配に気付かない王なんていない。」
朔夜の顔色が変わった。
青くなったのではない。逆だ。
落ち着いている。
そして
覚悟を決めた者がもつ強い眼をしていた。
「それじゃあ…最後に一つだけ教えて……」
「私は何をすればいいの?」
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