初仕事

5/14
前へ
/101ページ
次へ
*-------- 近藤の部屋 近「じゃあまずはお茶を持ってきてもらおうかな」 コクン 璃玖は働けるのが嬉しくて笑顔で大きく頷き、腰を上げた。 障子に手をかけ、開け 近「あッ!!!ちょっと待ってくれ」 られなかった.... 璃玖は近藤の方を振り返り、近付いていった。 近藤は文机にある小さな引き出しから何かを取り出した。 首を傾げながら近藤の近くに座ると、 近「これを渡しておきたくてね」 璃玖の手を取ってその何かを握らせた。 見てみると、綺麗な空色の紐がついた小さな鈴だった。 《これ.....もらっていいのかな》 そう思った璃玖はじーッと近藤の顔を見た。 近「璃玖は声が出せないから自分を主張できないだろ???だから鈴を鳴らせばみんな気付くと思ってね」 近藤は優しく笑っていた。 《わざわざ僕のために???》 璃玖は嬉しくなって近藤に抱き付いた。 近「ッおっと」 璃玖は抱き付いたまま近藤の顔を見上げて 『ありがとうございます』 と唇を動かした。 それが伝わったようで 近「どういたしまして」 と返した。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1382人が本棚に入れています
本棚に追加