病魔の足音

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海から戻って、大輝は微熱が続いていた 「なんかスッキリしないね」 結花が心配そうにのぞき込む 「う…ん。でもまぁちょっとダルいだけだから大丈夫だよ」 熱は37度を行ったり来たり… 前期試験もあるし、生活のためにバイトも休んでばかりはいられない “夏バテかな~” 教室に入ってため息をつく 「大輝、顔色悪いぞ」 隣に荷物を起きながら亮介が言う 「長いなぁ。お前が静かだと調子狂うよ」 和哉も教科書を広げながら大輝を見た 「夏風邪かなぁ。みんなに移さないようにしなきゃ」 「食欲なくてもちゃんと食えよ」 「わかってる」 講義が始まった なんだか教授の姿が遠くに見える 声が聞こえにくくて 自分が違うところにいるような感じがした
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