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「今年の春からニューヨークだ。準備しておけ」 「は?」 あたしとママは、パパの作った夕食を取り溢し、声を揃える。 だって今3月も半ばだよ? やっと卒業式も終わってのんびりしてるとこなのに。 「み……南さん、旅行……ですか?」 「阿呆。誰が好きこのんであんな治安の悪い所に旅行に行くんだ。転勤ってヤツだ」 「ええ!? 海外に支店なんてないですよね!?」 「作るんだ。俺が中心になってな」 あたしはあまりの事に、声も出ない。 いや! 文句の一つも言わなきゃ! 「パ……パパ? あたしね? やっとの事で旺栄学院に合格したの。知ってるよね?」 「残念だったな。まぁ海外の方が学ぶ事は多いだろう」 サラっと返された! 「でも入学金も払ったんですよ?」 「そんなもんくれてやれ」 あたしは立ち上がり、テーブルを勢い良く叩く。 「絶対やだ! あたしは行かないから!」 「俺を一人で行かせる気か?」 「ママと二人で行けばいい。あたしはここに残る!」 だってあそこ、制服可愛いし、ランチブースも豪華だし、何より“みんな”と一緒に通える。
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