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「それにニューヨークなんて怖いところやだよ! パパはあたしが襲われてもいいの!?」 「……それが唯一の難点だ。まぁ学校は送り迎えするから、その後は外出しないように……」 「何よそれ! あたしに軟禁生活を送れって言うの!?」 「襲われるよりはいいだろう」 ママはあたし達を代わるがわる見て、手の平をグーでぽんと叩いた。 「社長にお願い出来ないかな? またお屋敷に戻るのよ。波流だけ」 お屋敷とは、あたし達が中学に上がる前まで住んでいた草薙家の事だ。 パパと草薙家の兄弟は、死んだおじいちゃんに家族同然に育てられ、結婚してからは広いお屋敷に3家族同居していたのだ。 でもあたしだけ女の子だったからだろう。 中学に上がると同時にお屋敷を出て、以前住んでいたというマンションに戻ってきたのだ。 「それだとここに戻った意味がないだろう」 「ニューヨークで暮らすより安全なような気がしますけど……」 パパは黙り込む。 「そ……そうよ! ニューヨークは街全体がヤバいけど、お屋敷には惣パパや光太郎パパ達がいるんだよ?」
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