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「ありがとう、パパ。お願いね?」
あたしは食事を終え、食器を片付けがてら、パパのこめかみに、とどめのキスをする。
これであたしは旺栄学院に通う事が出来る。
ニューヨークなんて冗談じゃない。
英語も出来ないし、友達もいないところに、今更行きたくない。
パパやママに暫く会えないのは淋しいけど、惣パパ達もいてくれる。
私は一安心して自分の部屋に戻った。
翌日、あたしとママは草薙のお屋敷を訪れる事にした。
パパは惣パパ達に話を通すから、あたし達はママ達に相談に行こうと言う事になったのだ。
電話をしたら、みちるママが迎えに来てくれると言う。
草薙のお屋敷に行くのは年末年始以来だ。
まぁ最近と言えば最近だけど。
因みに草薙家は日本屈指の財閥で、惣パパは草薙財閥の総裁。
光太郎パパとあたしのパパは幹部なのだ。
みちるママがマンションの下からママの携帯を鳴らす。
あたし達はいそいそと準備をし、エレベーターで階下へ降りた。
「千波ちゃん、久しぶり」
「みちるさん、わざわざすいません」
「こんにちは、みちるママ」
「波流、卒業おめでとう。これからみんな一緒ね、碧の事よろしくね?」
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