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「あたしこそ、翠兄と蓮の後輩になるんだから、よろしくだよ」 「ふふ、そうかもね。じゃあ行こうか」 私達は赤いBMWに乗り込む。 1時間ほど車に揺られ、郊外の高級住宅街に到着した。 その更に奥、高く長い塀に囲まれた広い敷地。 やっと見えてきたヨーロッパ調の模様が入ったモスグリーンの門。 そこで一度車を停め、みちるママはリモコンを操作した。 低くく、軋んだ音と共に門が内側に開く。 目指す先にはまず噴水があり、そこを避けるように車を走らせると、やっと屋敷の入り口が見えてきた。 扉の前には二人の初老の男性。 今流行りの執事さんだ。 若いイケメンじゃないのが残念。 車が玄関に停まると、執事さんがペコリと頭を下げ、車のドアを開ける。 みちるママは馴れたように車のキーを渡し、私達を中に入れてくれた。 「柳瀬さん、川口さん、お久しぶりです」 ママは二人の執事さんに頭を下げる。 私も同じように挨拶をした。 「千波奥様、波流お嬢様、ようこそおいで下さいました」 多分友達がこれを見たら腰を抜かすだろう。 アンタがお嬢様!? って。
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