9/13
前へ
/255ページ
次へ
「はぁ!? 冗談じゃねぇ! 俺は行かねぇからな!」 「……あんた、新しい水着、欲しがってたわよね? レース用のいいやつがあるって。ママ買ってあげてもいいわよ?」 「くっ……卑怯な……。分かったよ、15分待ってろ。後回しじゃなく今日間違いなく買えよ!」 蓮は駆け足で、二階の自分の部屋へと戻ってゆく。 蓮を待ってる間、私達は応接室で、柳瀬さんの淹れた紅茶を飲み、談笑しながら待った。 きっかり15分、蓮はボロボロのGジャンにTシャツ、スキニータイプの黒いパンツに着替えて出てきた。 「さっさと行くぞ」 蓮は相変わらずムスっとしている。 元々蓮は愛想が悪くて人見知りだ。 良く言えばクール? 笑えば可愛いのにさ。 まぁ照れ屋さんなんだよね。 世に言うツンデレタイプ。 恵美ママはさっきみちるママが乗った真っ赤なBMWにそのまま乗り込む。 私と蓮は後部座席に乗り、いざ買い物へと向かった。 「合格したんだってな、おめでとう」 「うん、ありがとう。お祝いは今度でいいよ」 「バーカ、まぁ、なんか考えとけ」 「おっけー!」 そんな会話を交わしながら、私達は草薙系列のデパートへと到着した。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1876人が本棚に入れています
本棚に追加