序章~異変~

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  「やっぱ来たか……」 と、ため息を吐きながら言う。 「惣!!帰ってきたらすぐ裏庭で修行だと、何度言ったら分かるんじゃ!」 同じく帰宅の声を聞き、一人の老父が裏口の方から疾走してきた。名を源内(ゲンナイ)という。 惣一郎の祖父にあたり、ウメとは反対で騒がしく(良い意味で)、熱い性格の持ち主である。 陰陽師達の間では、『闇討ちの源さん』として名高い。 「じいちゃん!今時修行なんて意味ねぇよ!だって妖怪達ももう昔みたいな力は残ってないんだろ!?」 「馬鹿者!そういう油断が戦場では命取りになるのじゃ!それに陰陽師たるもの、日々の鍛練を怠ってどうする!」 「いや、油断とかじゃねぇって!てか、そもそもその戦場って状況がまず今じゃあり得ないって言ってんの!この、分からず屋!」 云々云々…… 惣一郎が帰ってくると、決まってこのやりとりが繰り広げられる。結局、いつも惣一郎が源内の押しに負け、しぶしぶ修行をする。 一応その修行のおかげで、惣一郎の運動神経は高い位置にあるのでそこがまた皮肉なのだが。
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