6人が本棚に入れています
本棚に追加
第4話 -静かな前兆-
瑞鳴香
「…ん…」
今日は珍しく自然と目が覚めた。
瑞鳴香
(まだ6時かぁ…
二度寝してみよっ
寝る子は育つってね)
中途半端な時間だったので、
二度寝をしようとした。
…が…
この「奇跡の二度寝枕」が絶不調だったらしく、
結局寝付けなかった。
瑞鳴香
(っかしぃなぁ~
普段なら寝れるんだけど…
6時40分か
起きてよっ」
香は「奇跡のコロッと布団」から出ると、
ゆっくりと制服に着替えだした。
瑞鳴香
(さて…そろそろ行こおっと)
ガチャッ…バタンッ…トントントン。
リビングでは母親が朝食を作っており、
香ばしい匂いが漂っていた。
父親は日頃の過労が堪えているのか、
少しやつれた様子で椅子に座り
新聞を読んでいる。
瑞鳴香
「おはよぉ~」
父&母
「おはよぉ」
母
「あら珍しい香から起きてくるなんて」
父
「おっ!?
起きれる様になったのか香
さすが高校生は違うなぁ~
」
瑞鳴香
「まぁねぇ~
もぉ大人だしぃ~」
母
「すぐ調子に乗ってぇ
明日からも続けなさぃよ」
瑞鳴香
「あの…ハッキリ聞こえませんが」
母
「んもぉ…ホンッと調子良いんだから」
父
「まぁまぁいいじゃなぃか母さん
それにほら…
寝る子は良く育つっていうじゃなぃか」
母
(流石だわ…血は争えなぃわね)
「はぃはぃ
香朝ご飯食べなさぃね」
瑞鳴香
「はぁい…
いただきまぁす」
父
「あ…母さん珈琲」
母
「あら?入れてなかったみたぃね
忘れてたゎごめんなさぃ」
瑞鳴香
「ゴッチん
さて…と
もう行くね」
母
「今日は早いのね」
瑞鳴香
「うん
今日はちょっとね」
父
「気を付けて行くんだぞ」
瑞鳴香
「はぁい
行って来まぁす」
母
「忘れ物はなぃわね?」
瑞鳴香
「な…い…大丈夫」
母
「今日は珍しくちゃんとしてるじゃなぃ
気を付けてね」
瑞鳴香
「ほぉ~い」
ガチャッ…バタンッ。
瑞鳴香
「今日ゎ朱梨より早く行けるかな
何しろジュースがかかってるんだから」
香は学校へ向かった。
ごくごくたまに早く出ると、
また1つ景色が変わり新鮮になるものだ。
…と
後ろから。
麻壬苗朱梨
「香~!!
待ってぇ~!!」
朱梨が走って追い掛けて来た。
香は立ち止まり朱梨を待つ。
瑞鳴香
(やっぱ私の方が早かったか)
タッタッタッタッタッタッ…。
朱梨が追い付いた。
最初のコメントを投稿しよう!