-Perfume-

2/6
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
ガ…チャ… カランカラ~ン… …。 瑞鳴香(ミズナリカオル) 「すみませ~ん」 …。 店主 「いらっしゃいませ」 そこはアンティークなテイストの中、 どこかアジアンチックな風貌漂う店内。 一見殺風景と思われたが、 目の前にあるガラス張りディスプレイの中には、 目移りする程多くの香水達が居た。 店内には不思議と香りが無く、 恐らくそれは香水のテスターが無いからなのだろう。 瑞鳴香 「いろんな香水があるんですね」 店主 「…はい」 瑞鳴香 (なんか滑稽で冷たい店員だなぁ… 絶対客ウケしないタイプだな…うん) そう思いながら香はゆっくりと 香水を左から右へと目で追った。 と…。 その中にただ1つだけ、 まるで香を待っていたかの様に佇む香水が居た。 瑞鳴香 (何だろうこの見られてる感じ… あの香水だ… 何だろうこの感じ… 暖かいんだよななんか…) 暫くの間香はその香水を見つめていた。 店主 「此処の香水達は皆生きてるんですよ」 瑞鳴香 「えっ!?」 香は自分の心を読まれた気がして驚いた。 瑞鳴香 「そぉ…なんですか…」 (何言ってんだろこの人 おかしいんじゃなぃの?) 「はははっ…そぉなんですか」 そしてそのありふれた会話を最後に、 約15分間の空白の時間が流れた。 そして…。 瑞鳴香 「あの…これください」 香が指差したのはまさにその香水だった。 そして滑稽で冷たい店主はおもむろに口を開いた。 店主 「今から貴女に幾つかの質問をします 貴女がこの香水を本当に手にしたいと思うのなら この簡単でくだらない質問に本心でお答え下さい」 瑞鳴香 (何わけの分からない事言ってんだろうこの人…香水買うのに質問なんて) しかし香は何故か不思議と、 この滑稽で冷たい店主の言う事に 答えないといけないと思った。 瑞鳴香 「は…はぃ…分かりました」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!