-Perfume-

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店主 「貴女は今寂しいですか?」 瑞鳴香 「い…いえ」 店主 「貴女は悲しいですか?」 瑞鳴香 「いえ…悲しくありません」 店主 「貴女は今苦しいですか?」 瑞鳴香 「いえ特に…苦しい事なんてないですけど」 (何言ってんの… この質問が香水と何の関係があるのよ しかもプライベートな事だし) 店主 「貴女は幸せですか?」 質問を続ける滑稽で冷たい店主に 香は不信感を抱いた。 瑞鳴香 「あの…ちょっといいですか? さっきから人のプライベートを探る様な質問ばっか… 一体何の関係があるの? 私が欲しいこの香水とっ!!」 店主 「貴女は幸せですか?」 滑稽で冷たい店主は質問を繰り返す。 瑞鳴香 「だからさぁ!! 一体何の関係が…」 店主 「貴女は幸せですか?」 瑞鳴香 「あのちょっといいですかっ!? 貴方私の話し聴いてるっ!?」 店主 「貴女は幸せですか?」 瑞鳴香 (あきらか聴いてなぃわ… んもぉ面倒臭いっ!!) 「はいっ!! 幸せですうっ!!」 店主 「そうですか…」 瑞鳴香 (なっ!?なになに!? それだけ!? 何の為に答えたの私!?) 店主 「貴女にこの香水をお売りする事は出来ません」 瑞鳴香 「えっ!?」 店主 「貴女にこの香水はお売り出来ません」 瑞鳴香 「なっ!?何でですかっ!? さっき質問に全部答えましたよね私っ!? 店主「貴女にこの香水はお売り出来ません」 瑞鳴香 「あのっ!!」 その時だった、 店内は突然暗くなり 目の前が何も見えなくなった。 自分が此処に立っているのかさえ、 分からない程奪われる平行感覚。 やがて香の三半規管はその機能をゆっくり止めた。 ただ… 店主の声だけが頭の中に響いた。 -またのお越しを- -心からお待ちしております- -また- -貴女は- -必ず此処を訪れるでしょう- -この香水を求めに-
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