初夏の音

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試合は一方的だった   それでもコウはつまらなそうな顔一つしないで必死にボールを奪おうとしている   ケンジが30本目のシュートを入れたときだっただろうか、コウはボールを取りすぐにシュートを打った   『そんないい加減なシュートじゃ…』   “パシュッ”   綺麗な音をたてながらボールはリングを擦り抜け落ちた   『やったーっ、やっとバスケ部から一点とった!』   コウはそう言ってすぐにコートに倒れた   『やられたけど、今のまぐれだろ?』   『まぐれだけど、一点とったのは事実でしょ!それにまぐれじゃ俺の球は打てないね』   『でもお前大差で負けてっから(笑)でもおもしろかった』   『俺も!疲れたー』   いつの間にかユキの事は忘れ、コウとは友達になっていた
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