七基の友人・幸せの少女

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学校の屋上で、七基はクラスメイトの友人四人と、昼食を取っていた。 「笹乃が入院した時は驚いたよねぇ」 「本当!もう大丈夫なの?」 「平気平気。休日が潰れたのは惜しかったけどねぇ」 笹乃が笑う。 「そう言えば、隣町のお寺が半壊しちゃったの知ってる?」 七基はご飯を喉に詰まらせかけた。 「知ってるー!私、昨日見に行った!」 「あんた、わざわざ見に行ったの?」 「…そ、それよりさ!今日の家庭科実習って、何作るんだっけ?」 七基は話題を変えようと、午後の家庭科実習の話を始めた。 「クッキーじゃなかった?」 「そうそう。私はチョコクッキーにするつもり!」 「誰かにあげる?」 「私は自分で食べるわ」 「私は山部くん!」 「私も!」 クラスの人気者、サッカー部の山部久史。 成績優秀で、運動神経抜群、性格も優しくて、見た目も良い。 女の子の理想の王子様と言った所か。 「茉里は?」 「えー?私ぃ?」 自分で食べようと思っていたが、気になる男子がいないわけじゃない。 「…クッキー好きかな」 ポツリと呟く。
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