七基の友人・幸せの少女

12/13
前へ
/77ページ
次へ
悲鳴が木霊した。 『オノレ…人ノ子ガァ!!』 それらは怨み言を言いながら、消えていった。 「あ…襖が…」 まっ二つになった襖を見て、灯色が申し訳無さそうに呟いた。 「ああ、いいよ。気にしないでくれ」 山部が苦笑する。 その手に小さな人形を抱えて。 「まだ少し残ってますが…それは放っておいて大丈夫です。霊障を起こせるほどの霊は居ません。そのうち消えますよ」 「ああ、ありがとう。すまなかった。怪我までさせて…」 「怪我…?」 きょとんとしてから、灯色は頭に触れる。 「ああ…痛いと思ったら、怪我してたんですね。気にしないでください。これは僕の油断の結果ですから」 そう言って、灯色が苦笑する。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加