七基の友人・彼氏騒動

10/11
前へ
/77ページ
次へ
「いえ、働いた事はあるので」 灯色が答えた。 「遊んだこと無いのに、働いた事はあるのか?」 山部が不思議そうに問う。 「はい。変ですか?やっぱり」 「いや。でも今時かなり珍しいよ。世俗に染まってないの、貴重なんじゃないか?」 「世間知らずなだけですよ」 灯色が笑った。 「何か、立花くんって頼りない感じね」 美波が前を歩く灯色と山部に、聞こえないように呟いた。 「えー、私は結構好きだよ?」 笹乃もこっそり言った。 「笹乃って頼られたいタイプ?」 「だってさ、なんか可愛いじゃん。彼」 「そうね…。彼って、母性を擽らせるタイプね」 景子が同意する。 「あんた達…嫌いになるわよ」 七基が言う。 「それに、灯色くんは頼りなくなんか無いよ」 姿もなく追い掛けてきた悪霊から、灯色は助けてくれた。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加