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「いえ、働いた事はあるので」
灯色が答えた。
「遊んだこと無いのに、働いた事はあるのか?」
山部が不思議そうに問う。
「はい。変ですか?やっぱり」
「いや。でも今時かなり珍しいよ。世俗に染まってないの、貴重なんじゃないか?」
「世間知らずなだけですよ」
灯色が笑った。
「何か、立花くんって頼りない感じね」
美波が前を歩く灯色と山部に、聞こえないように呟いた。
「えー、私は結構好きだよ?」
笹乃もこっそり言った。
「笹乃って頼られたいタイプ?」
「だってさ、なんか可愛いじゃん。彼」
「そうね…。彼って、母性を擽らせるタイプね」
景子が同意する。
「あんた達…嫌いになるわよ」
七基が言う。
「それに、灯色くんは頼りなくなんか無いよ」
姿もなく追い掛けてきた悪霊から、灯色は助けてくれた。
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