七基の友人・見えるひと

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山部は、白石に教えてもらった自動販売機に、お金を入れた。 「あのさ」 「何ですか?山部さん」 「その敬語って癖なのか?」 灯色はきょとんとした後、 「…気に障りますか?」 と、問う。 「いや、何て言うか…擽ったいんだよな。癖なら仕方ないんだけど。あと、俺のことは久史って呼び捨ててくれて良いから。俺も灯色って呼んで良いか?」 「はい」 灯色が頷く。 人数分の缶を買うと、部屋に戻る。 「お待たせ」 山部が飲み物を配る。 「ちょっと休憩しよっか」 七基が言った。 「あ。私、お菓子持ってるよ」 「お、笹乃やるぅ~!」 「私は団子が食べたいわ」 「あはは。景ちゃん、団子は無いんだよ」 「あら。残念ね」 わいわいと、友人達が楽しく話す。 「山部くん、ポツキー好き?」 幸恵が山部に尋ねた。 「嫌いではないけど、あんま食べないな」 山部が答える。 「灯色は?」 「僕は好きですよ」 山部の問いに、灯色が笑って言った。
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