七基の友人・見えるひと

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「それにしても、鷹山さんに霊感があるなんて、知らなかったな…」 「そうですね。幽霊が見えるなんて、なかなか言い辛い事ですよ。たぶん、僕が見えてると確信しての発言だと思います」 「…ん?じゃあ、俺は?」 「…座敷童が見えてるんじゃ?」 「え!白袴いるのか!?」 山部がきょろきょろと見回す。 『…申し訳ありません。久史さま』 スッと、白袴が現れる。 『常にお守り申し上げておりました。ご迷惑でしたでしょうか』 「いや、驚いただけ。言ってくれればいいのに」 『申し訳ありません。日常生活に、支障をきたしてはいけないと思いまして…』 白袴が言った。 「そっか…。鷹山さんには、白袴が見えてたのか」 山部が呟いた。 山部と花月堂の前で別れて、灯色は店の中に入った。 「おお、おかえり。楽しかったかね?」 三坂が言った。 「はい。楽しかったです」 灯色は答えて、三坂の隣に座った。 「お茶でも飲むかいの?」 「いただきます」 三坂からお茶を受け取り、灯色は一口飲んだ。
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