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手には一番と書かれた紙を持っている。
「先頭は金谷な」
「な、何で僕が!?」
金谷がうろたえる。
「だって、怖がってる女の子に、前歩いてもらう訳にはいかないだろ?」
「だったら君が前を歩けば良いだろ!」
「まぁ、別に良いけど。じゃあ、金谷は一番後ろね」
恭也が言う。
「一番のチーム入って~!」
担任が七基達に言った。
学校の中に入った七基達は、薄暗い廊下を懐中電灯の明かりを頼りに進む。
「ドキドキするな!」
恭也が言った。
「そうね」
景子が無感情に呟く。
「ドキドキって言うより、バクバクって感じだよ~」
七基は景子の腕にしがみついていた。
「七基さん」
「きゃあっ!?」
七基の悲鳴に一同が振り返る。
「あら…こんな所で、何をしているの?灯色くん」
七基に声を掛けたのは灯色だった。
「七基さんに呼ばれて…先生に見付からないように、隠れてました。一応、部外者なので」
灯色が苦笑した。
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