学校の怪談

5/12
前へ
/77ページ
次へ
手には一番と書かれた紙を持っている。 「先頭は金谷な」 「な、何で僕が!?」 金谷がうろたえる。 「だって、怖がってる女の子に、前歩いてもらう訳にはいかないだろ?」 「だったら君が前を歩けば良いだろ!」 「まぁ、別に良いけど。じゃあ、金谷は一番後ろね」 恭也が言う。 「一番のチーム入って~!」 担任が七基達に言った。 学校の中に入った七基達は、薄暗い廊下を懐中電灯の明かりを頼りに進む。 「ドキドキするな!」 恭也が言った。 「そうね」 景子が無感情に呟く。 「ドキドキって言うより、バクバクって感じだよ~」 七基は景子の腕にしがみついていた。 「七基さん」 「きゃあっ!?」 七基の悲鳴に一同が振り返る。 「あら…こんな所で、何をしているの?灯色くん」 七基に声を掛けたのは灯色だった。 「七基さんに呼ばれて…先生に見付からないように、隠れてました。一応、部外者なので」 灯色が苦笑した。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加