学校の怪談

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「灯色くん…」 七基が灯色を見る。 「大丈夫です。通りすがりの浮遊霊だと思います。珍しくもないですから」 「そ…そう」 七基は少しほっとした。 「立花くん…ひょっとして、そっち系詳しい人?」 「幽霊ですか?素人としては、それなりに分かります」 「おおっ!頼もしいね!」 恭也が楽しそうに叫んだ。 「じゃあ、次行こうぜ!」 「う、うん」 恭也のハイテンションに釣られて、七基が恐怖も忘れて頷く。 次の七不思議は、理科室の動く人体模型というもの。 「理科室に着きました…が、鍵が掛っている模様です!」 恭弥が言った。 「危ない物が多いからね」 「んー…閉まってるなら、次に行くしかあるまい」 恭弥が言った時だった。 カチャン…と、鍵が開く音がした。 「うわっ」 恭弥が驚いて、ドアから離れる。 ドアがゆっくり開いていく。 隙間から、人体模型が覗いていた。 「うわああっ!!」 悲鳴を上げ、金谷が一人で一目散に逃げて行った。
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