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「うお!?あり得ねぇ!ピンチだ!!」
後ろから迫る幽霊を振り返り、恭弥は叫んだ。
『怨めしや~』
「何がだっ!!」
『…さぁ、何でしょうね?』
少女の霊が首を傾げた。
「…はい?」
取り合えず言ってみた言葉に、惚けた答えが返ってきて、恭也は呆然とした。
『幽霊らしく、怖がらせてみましたぁ!怖がってくれて、ありがとう~』
幽霊は楽しそうに笑って言った。
「な…何だそりゃ!?」
恭也が言う。
「四十九日ですか?」
灯色が幽霊に問う。
『うん』
幽霊が頷いた。
「四十九日?」
「今生の死と、来世の生との中間の期間ですよ。来世に生まれ変わるのを待っているんです。一般的な幽霊とは違って、未練で留まっている訳ではない死者です」
『あと、四十七日は自由時間♪』
少女が笑う。
『私、三原利栄。死んでから、知り合いが増えるなんて思わなかったわぁ』
「見えない人が殆どですからね」
灯色が言った。
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