学校の怪談

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少女の幽霊…利栄は、ふよふよと浮いている事と、少し透けている事を除けば、何処にでもいる普通の人だった。 『私、生前は怪談話好きでね、夜の学校に興味あったんだぁ。それで探検してたら、君達が肝試ししてて、これは驚かせなきゃって思ったの!』 次の目的地、音楽室に向かう一同。 幽霊がメンバーに加わった事で、七基の心に余裕が出来た。 「音楽室の怪談は、無人で音が鳴るピアノ…だったよね?」 「そうそう。自殺したピアニストが使ってたピアノが、うちの学校のピアノなんだって噂なんだよ」 音楽室を覗くと、真っ暗な部屋にピアノが一台。 音は聞こえない。 「此処は何とも無いんだね」 『そりゃ、そうよ。音楽室のピアノは、六年前に一度買い替えてるのよ。新品にね』 「え?そうなの?」 『うん。私、在学中だったもの』 「利栄さん…幾つなの?」 『享年二十二歳だよん』 利栄が笑う。 「次ね…」 景子が言う。 「次は…図書室の本を読む幽霊」 図書室に行くと、白い人影が机に着き、本を読んでいた。
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