10人が本棚に入れています
本棚に追加
「これは夢か?そうなのか??」
「分かんない。夢だったとして、何処からが夢なの?」
「寝た覚えねぇな。つか、グラフィック欠けたゲームみてぇ…」
「私、ゲームはさっぱり分からな…って、いやいや!そんなこと言ってる場合じゃないよ!」
我に返った七基が叫んだ。
「体育館に戻って、景ちゃんに現状を教えてあげなきゃ。何が何だか、まだ分かんないけど…。独りじゃ心細いと思うし」
「だな…まず鷹山さんの救出最優先!」
二人は現実逃避したいのを堪え、景子がいる体育館に戻る。
一方の景子は、体育館の倉庫の中で、脱出出来ないものかと思考を転らせていた。
「…そう言えば、体育館の怪談って…」
ふと思った時、背後で気配がした。
躊躇いもせず振り返る。
「う…わぁ…」
久し振りに、思慮の無い言葉を発してしまった。
マントですっぽり体を隠し、手には巨大な鎌を持った奴がいた。
体育館の怪人。
恐らく、そんな名前の存在。
「ああ…何て馬鹿らしい…」
景子はうんざりしたような、脱力した声を上げた。
怪人が鎌を振り上げる。
「そして、本当に馬鹿のようだわ」
勢い良く、鎌が振り下ろされた。
最初のコメントを投稿しよう!