無限回廊

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しかし、景子はこれが夢だと結論した。 「そう…見たくない夢。体育館の怪談は、一人で倉庫に居たら襲われる話ね…。誰か思ったはずよ。倉庫で一人になってはいけない…って」 「あ…私かも」 「それが反映されたの。だから、一番最後まで倉庫にいた私が閉じ込められた…」 「マジかよ…」 「そして、そんな怪奇があった時に、灯色くんがいないのは怖いと…」 「あ…思いました」 「七基さんばっかだな」 「怖がりだものね…仕方無いわ…。あれが出てきたのは私の性ね。一人の時に、怪談を思い出してしまったから」 そして、七基が戻ってきた時に、巻き込んではいけないと思ってしまった。 それが反映され、怪人は七基を巻き込もうと、倉庫を出たのだ。 「で、どうやったら目が覚めるんだ?」 「…さあ?」 「うぉい!肝心な解決方法分かんないのかよ!?」 「夢を夢の中で醒ますなんて、器用な事出来る…?無茶振りだわ…」 「そりゃ、そうだろうけどさ…!」 「でも、怖いと思わなければ、怖くないんだよね…?」 「どうかしら…無意識の恐怖ってあると思うわ…」 例えば、枯れ尾花を見た人間は、見た目の錯覚から幽霊だと思ってしまう。
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