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一方の灯色は、突然倒れた三人を前に、困惑していた。
「寝てる…だけみたいだけど…119番した方が良いのかな?でも、僕は携帯電話を持ってないし…」
『ちょっと待って。これ、七不思議の端の無い廊下に似てるよ。延々と続く廊下を悪魔に追い掛けられるんだけど、実は夢の中で、出口を見付けないと夢から覚めずに死んじゃうってやつ』
「え?さっき聞いた話と違いますよ。七不思議って、七つじゃないんですか?」
『うん。七不思議って、いつの間にか増えてるものなの。私が知ってるのだけでも、二十個は有るかな?代表的なのが七不思議って呼ばれて、後は学校の怪談とか呼ばれるんだよ』
「成程…じゃあ、七基さん達は、夢の中で追い掛けられてる最中って事ですか?」
『多分ね。だって、四人の内、三人が倒れるなんて不自然だもの』
「どうしたら、助けられますか」
『怪談の解決方法なんて分からないよ。私はただの浮遊霊だもん。あ、でも、共通点が有る怪談なら…』
そう言って、利栄がふわふわと、飛びながら移動する。
『大鏡の…あっ!鏡が無い!?』
「大鏡の七不思議は、あの世に繋がるって話じゃ?」
灯色は問う。
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