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『ズガァァァァン』
『お、おのれぇ!!』
『俺がいる限り、てめぇら悪が栄えることはない!!』
テレビの前に座り、特撮ヒーローものの番組を見ているのはこの物語の主人公となり少年。
名を…
「総太ー、ちょっと買い物行ってきてー!!」
名を、水嶋総太(ﾐｽﾞｼﾏ ｿｳﾀ)と言う。
「今見てるのが終わってからにしてー!!」
「総太にぃ、またそんなもの見てるの？」
彼にそう言ってのけるこの少年は、総太の弟である。
名を、水嶋勇人(ﾐｽﾞｼﾏ ﾕｳﾄ)という。
「いいじゃねぇか、面白いぜ？」
「そんな子供っぽいものが趣味な兄を持つと、弟は苦労するんだよ？」
この二人、二歳違いの兄弟なのだが兄は弟より趣味が子供っぽく、弟は兄より考えが大人っぽい傾向にある。
「まぁ勉強も運動も出来て、顔もそこそこだから総太にぃがそんな趣味してても問題は…」
勇人は一瞬悩み、そして結論を出す。
「やっぱ、公にはしないでね。」
「総太ー!!買い物ー!!」
「ほら、母さんが呼んでるよ。」
「お前が言ってこいよー、弟なんだから。」
「僕は総太にぃと違って勉強しないとマズイ頭なんです。」
「ん？俺だって勉強しなくていい点とれる程天才じゃないぜ？」
「イヤミだったんだけどなぁ。」
勇人は小さく呟いた。
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