第0話 「路地裏の異世界」

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「アイツ、俺の事ちゃんと兄として見てるのか?」 母親から頼まれた買い物を済ませるため、総太は店へと向かう。 「大根…ジャガイモ…今夜はカレーだな。」 母親の書いたメモを読みながら、総太はどう解釈したのか晩御飯をそう予想した。 「さっさと八百屋行って…あ、まずは文具店からだったな。」 総太は歩いて来た道を少しだけ戻ると、十字路を曲がった。 「シャー芯シャー芯っと…は?」 路地を曲がった総太が見たものは、道に倒れている一人の人間だった。 「ちょっ、アンタ大丈夫か!?」 急いで駆け寄る総太。 「どうしたんだ!?今救急車を…」 携帯電話を取り出す総太。 その時、総太に影が差し掛かった。 「ん?…うぁぁぁっ!!」 携帯を落とし、後ずさる総太。 彼の視界に映ったのは、明らかに人間ではない『何か』。 「な、な、何だよお前!!」 ジリジリと後ずさる総太。 そんな総太にゆっくりと近寄る異形な何か。 「く、来るなぁっ!!」 ドンッ 後ろを見る総太。 そこは壁になっていて、これ以上後ろに下がれなかった。
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