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「アイツ、俺の事ちゃんと兄として見てるのか?」
母親から頼まれた買い物を済ませるため、総太は店へと向かう。
「大根…ジャガイモ…今夜はカレーだな。」
母親の書いたメモを読みながら、総太はどう解釈したのか晩御飯をそう予想した。
「さっさと八百屋行って…あ、まずは文具店からだったな。」
総太は歩いて来た道を少しだけ戻ると、十字路を曲がった。
「シャー芯シャー芯っと…は?」
路地を曲がった総太が見たものは、道に倒れている一人の人間だった。
「ちょっ、アンタ大丈夫か!?」
急いで駆け寄る総太。
「どうしたんだ!?今救急車を…」
携帯電話を取り出す総太。
その時、総太に影が差し掛かった。
「ん?…うぁぁぁっ!!」
携帯を落とし、後ずさる総太。
彼の視界に映ったのは、明らかに人間ではない『何か』。
「な、な、何だよお前!!」
ジリジリと後ずさる総太。
そんな総太にゆっくりと近寄る異形な何か。
「く、来るなぁっ!!」
ドンッ
後ろを見る総太。
そこは壁になっていて、これ以上後ろに下がれなかった。
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