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~???~
??「いやぁ、桜が綺麗だねぇ。」
ある晴れた日、僕は外で散歩をしていた。おっと、自己紹介を忘れたね。僕の名前は伊達義政(よしまさ)、次期伊達家の当主なんだ。
義政「これでお酒と可愛い女の子がいれば・・・」??「わたしがいるよ、義政君?」
ふんわりとした声に気付いて振り返る。そこには、桃色の髪に白い羽の飾りをつけたほんわかした雰囲気の少女が居た。
義政「やぁ、おはよう、桃香ちゃん♪」
朝から彼女に会うとは嬉しいね。
桃香「ここの桜、気にいってくれたかな?」
義政「うん、楼桑村(ろうそうそん)の名前通り、癒されるよ。」
ここ、楼桑村は本当に桜が綺麗だ・・・。「僕らの時代」で、これ程桃色一色の風景は拝めない。
??「あ、こちらにいましたか、姉者。」
と、後ろからまた女性の声がかかる。再び反射的に振り返ると、いかにも「真面目」なオーラを隠さない長身で黒髪が綺麗な娘が桃香ちゃんに近付いて来た。
桃香「愛紗ちゃんおはよう~!」
桃香ちゃんは振り向き、愛紗と呼ばれた娘にこれまたにっこり微笑んで挨拶する。で、僕もまさか挨拶をしない訳にはいかないので声をかける。
義政「やあ、『関羽』ちゃん、おはよう。」
・・・え?彼女は関羽なの?説明は後で。
愛紗「全く・・・、せっかく『真名』を教えたんですから、『愛紗』でいいですよ、義政殿?」
そう言って苦笑と共に抗議を含めた顔をこちらに向ける。
義政「ごめん!てっきり嫌われたかな、って思って・・・。」
実は、昨日彼女の真名(まな)という大切な名前を、正式に授かる直前にうっかり口にしてしまいこっぴどく叱られたんだ。あの時の愛紗ちゃんは、マジで怖かった・・・。
愛紗「それより桃香さま、もう鈴々が待っています。早く行きましょう。」
桃香「はーい!」
義政「僕も後で行くよ。もう少しじっくり詩でも考えるからさ。」
愛紗「わかりました。では後程。」
愛紗ちゃんはそう言って、桃香ちゃんを連れてこの桃園の奥に去って行った。そして、一人になってようやくため息をつく。
義政「・・・どうしてこうなっちゃったんだろう・・・?」
実は・・・僕は・・・、三國志の時代に飛ばされたのです!
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