13人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女の名前は美咲(みさき)というらしい。お互いのことを深くはないにしろ、徐々に理解し始めた。
「電話番号交換しない?」
中々積極的な美咲、今までしたことがなかったが、初めて直接知らない異性と番号を交換した。
それはほんのきっかけにすぎない。何度か電話をして、その電話から洩れる声は弱々しい小さな声だった。
「次電話するときは声大きくするように。
これ宿題な」
「ねぇ俊樹、みさの声大きくなった?」
「まだまだだぞ。
がんばれよ美咲」
そんな他愛のない会話を数回繰り返し、始まりは遊んでいた時だった。
「ごめん電話だ」
美咲からの電話に出る。正直いつもみたいにすぐ終わるだろうなんて思っていた。今日は友達が泊まりに来るらしかった。
「もしもし」
最初のコメントを投稿しよう!