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少し責めるような・・ だけど、よく透き通る凛とした声が響いた。 私は息を殺して身動きひとつしなかった。 声の主はしばらく黙って、シンと静まり返っているのを確認したように 「何だ・・気のせい・・か」 と少し安心したように呟いた。 誰にも聞かれたくないのかな? こんなにも素敵な音色なのに。 忘れられない・・― 私だけの秘密ができた日。 誰が奏でているかわからない音色に恋をした。
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