7人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
急にどこからか電子音的なメロディーが流れてきた。
「……………」
「……………」
「ローレル」
「……何だよ」
「携帯がなってますわよ?」
「…んな事はわかってんだよ」
「ではなぜ出ないのです?」
「この状態で出れるか!!」
そんな状況での二人の漫才でもやってるかの会話。
その間に音は鳴り止んでしまう。
「仕方ないですわね」
と何を思ったかフィンはローレルの体をペタペタと触りだした。
「ちょ!?…お、おい!!や、やめろ!!!くすぐったい!!お姫サマ落ちてしまうだろ!!」
「あなたの携帯を探してるんですわ。我慢なさい」
「できるか!!…け、携帯は腰のベルトポーチの中だ!!」
ローレルがそう叫ぶとフィンの手がピタッと止まった。
そして彼を見上げ……
「最初に言ってください」
と少々ムクれ気味でそう言った。
「つ~か……先に聞いてくれ」
ローレルの呟きが耳に届いているのか否か定かではないがメロディーの正体は携帯だった。
そして着信を見てみると
「ユーノスからですわ」
彼らが待つ男からでよく見てみると何度か着信が入っていた。
どうやら戦闘の最中に携帯が鳴っていたらしい。
「何度も着信があったみたいですわ」
「…マジかよ。またオレはあいつから嫌味を聞かされなきゃいけないのか?」
「大変ですわね」
「他人事みたいに言うな。連隊責任だろ?」
最初のコメントを投稿しよう!