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「私は知りません」
「んなっ!?…卑怯だぞ!?」
「何とでも言ってください。私もユーノスの嫌味に付き合うのは嫌です」
そうこうしていると今度は機械的な何かの音が聞こえてくる。
それは空からだった。
「う゛……来やがった」
見上げた空に浮かぶ物………それは飛空艇。
大きさからして小型の飛空艇だろう。
飛空艇が起こす風でそこら一帯の黒い霧が晴れた。
そしてローレルらの姿を確認したかのように飛空艇が着陸した。
ここでやっと露わになるフィンと少女の姿。
フィンは膝辺りまである綺麗な水色の髪と髪と同じ色の瞳を合わせ持ち、服は変わった格好…着物と呼ばれる服を身にまとっている。
なぜかはわからないがニコニコと一定に笑顔を見せる天然少女だ。
余談だがユーノスが見せるソレとは違う可愛らしい笑顔だ。
そして…まだ名前もわからぬこの虚ろな眼の少女は光が射す場所にいたらキラキラと輝いていそうな銀髪に血のように赤い眼で服は真っ白なフード付きのワンピースだ。
「まったく。私の呼びかけを無視するとは………いい度胸ですね」
そして、飛空艇から降りてきたのは紛れも無くアンヘルという少年の下を訪れていたユーノスだ。
「いや…それは色々と事情があるんだよ。まぁ…とりあえず無視したんじゃなくて気付けなかった状況にあったと思ってくれ」
「…言い訳がましく思えますが………まぁいいでしょう。彼女が無事ならそんな事は本当はどうでもいいんです」
やはりフィンが言っていた通り、ユーノスにとってこの少女は重要な意味を持つらしい。
研究の材料としてか、それとも別の何かがあるのか…。
そしてフィンとローレルが話していた本体と思念体とは何なのか…?
まだ謎は多い。
第1章『死の淵』End
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