親友の卵

11/11
前へ
/173ページ
次へ
「こんなぶっちゃけトークしたしね~普通は徐々に知ってくもんだよぉ。真緒ったら~」 あははと美香子が笑う。 「さっきの過去の話…友達に言ったの初めてだよ。自分にビックリ」 美香子はそう小さく呟いた。 「イメージと違ったっていいじゃん。真緒って鈍いから言うけど、真緒と友達になりたい人、いっぱいいるよ。よく話しかけられてるじゃん?」 「友達になってみたら?本当の自分を知られて、もし離れられたとしても。傷ついたっていいじゃん。」 美香子が微笑んだ。 「傷ついてなんぼだよ。何度でもはい上がれば良いんだよ、真緒。いつか宝物になる日が来る、きっと」 再び涙がポロリと落ちた。 初めて本当の友達ができた。 いつも一定の距離をおいてたから。 体が温かい… 心も温かい… じんわりと温まっていく。 ありがとう美香子。 すぐには無理だけど、こうやって本当の友達が増やせていけるように勇気出すよ。 少し考えを変えるだけで、周りを見る目が明るくなった。
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加