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「ーー音羽リツです」
一礼をすると、指示された席へ移動する。
その間、ほかの生徒の視線がついてくるのが分かる。
確かに人間界では紫色の瞳は珍しいから仕方がないのかもしれないが‥。
どうもいい気分ではない。
「君も魔界から‥?」
指示された席に座るとリツの隣に座っている生徒が聞いてきた。
一瞬驚いたが、ウィックの隙間から見えるコバルトブルーの髪にコバルトブルーの瞳。
「君も…?」
リツも周りには聞こえない程度に話す。
すると、にっこり笑って頷いてきた。
(なんだ、魔界から来ているのは俺だけじゃない…)
何となく、仲良くなれそうな気がした。
「僕は星影ライ。よろしく」
「よろしく…」
「分からないことがあったらいつでも言ってね?」
ライは屈託のない笑顔で手を差し伸べてきた。
それを握り返し、リツも笑顔で頷く。
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