窓辺の彼と、貴方の面影

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思い出したく無い事。 考えたく無い現実。 そんな感情に襲われるから封印した場所。 「今日は紅葉につられて、来ちゃったなぁ… でも、やっぱり……」 気を緩めれば思い出す 思い出せば苦しくなる。 いくら泣いても どんなに願っても時間は、 戻らないのに……。 「――前に、 前に進まないと駄目なんだよね…。」 わかってるよ でも自分では、わかってるつもりだったんだ。 同じ事を繰り返して何のへんてつも無い日々をおくる… そんな事を繰り返しても、あの人は帰って来ないのに……。 「私、いつになったら上を向いて歩けるようになる?」 誰に問いかける訳でも無く、ポツリと呟いた言葉。 その言葉は静寂にのみ込まれて消える
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