3367人が本棚に入れています
本棚に追加
「昌代(まさよ)さんはいらっしゃいますか?」
期待していた面接の女の人ではなく、聞き覚えのない野太い男の声だった。
昌代は私の名前だが、私は警戒して母の振りをした。
「娘は仕事に行っておりますが」
「そうですか、僕同級生の山田と言いますが、この度結婚が決まりまして、昌代ちゃんにも早く連絡取りたいんで、携帯番号教えてもらえませんかねぇ?」
コイツは山田じゃない。
しかし、それが私にバレていないと思っている。
暇潰しに遊んでやるか…
「娘の携帯番号、何番だったかしらねー…ちょっと今は分からないから、帰って来たら、こちらから掛け直すように言っとくわね。お宅の番号教えて頂けるかしら?」
「え!?あ…いいです。また、こちらから掛け直しますから。」
最初のコメントを投稿しよう!